今回はISO9001の監査と言うことで社内教育の記録、機器点検の記録、測定機器の校正の記録などに漏れがないかを皆で手分けして確認する。社内審査とはいえ、他の部署の管理職が臨時の監査役となるようななれ合いではなく、"それ専用"の部署が記録類を精査しにくる。安全やコンプライアンスに関する部分の監査専門の部署で、警察や軍隊における監察部署に相当し、それなりの権力がある。内部監査で不備があれば当該部署の管理職は厳しく指弾され、改善が義務づけられる。
それはさておき、監査前の記録類の整備というのが実に煩雑であり、かつ、馬鹿馬鹿しい。ISOの管理対象であるにもかかわらず点検担当者が決まっておらず点検記録がない、社内教育を実施したが教育訓練記録を作成・保管していない、など諸々の不備がある場合、点検は「やった」ことにして点検記録を偽造する。教育・訓練記録も「作成した」ことにして偽造する。とにかく何でも無いものはあったことにして偽造してしまうのである。ISO9000シリーズに関しては業務を決まりの通りにきちんと実施し、記録を残す、即ち、業務手順の標準化により業務を効率的かつ正確に行うのが目的と理解しているのだが、あるはずだが無い記録を偽造するのに忙殺されるなど本末転倒も甚だしい。
先日も、社内監査における口頭試問にどのように応答するか、リーダーと管理職数人が雁首そろえて協議していた。本来、マネジメントに専念し、部署の売り上げ増に邁進すべき管理職・リーダーがその本職を全うすることができていない。これを不思議とも理不尽とも感じない管理職自身にも問題ありだが名刺に「認証取得」と印刷するためだけのISO取得にも問題がある。
元来、ルーチン作業ではあり得ない研究開発業務にISO9000を持ち込むのにはムリがある。製造業の研究開発部門なのだからもう少し合理的に考えて欲しい。何のためにISO認証を取得するのか、取得するメリットがないのであれば、認証は返上してもらいたい。現状、ISOにより業務手順が標準化されたことによるメリット(殆ど無いに等しい)を、記録類を偽造するための無駄な作業というデメリットが大きく上回っている。この大いなる無駄が省かれれば、かなりの時間と労力を本業に振り向けることができるはずである。個人的にはもう少し意味のあることに時間と労力を使いたい。人間、意味さえあれば多くの場合、つらい作業にも耐えられる。意味のない作業ほど苦痛なものはないのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿